2022.08.23家づくり

狭小住宅とはどんな家?住み心地や間取り・収納のポイント

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狭小住宅でも住み心地抜群!快適に暮らす間取り・収納のポイント

photo by YAMADAHOMES

「小さめだが既に土地を持っている」「なるべくコストを抑えて家を建てたい」このようなとき選択肢に入るのが「狭小住宅」です。
狭小住宅と聞くと「暮らしにくいのでは?」「建てるのに制約がありそう」などマイナスイメージを持たれるかもしれません。しかし、設計の工夫次第で、住み心地の良いマイホームを手に入れることができます。
そこで今回は、狭小住宅で快適に暮らす間取り・収納のポイントをご紹介します。

狭小住宅とはどんな家?

そもそも「狭小住宅」とは?
狭小住宅(きょうしょうじゅうたく)とは、その名の通り、狭くて小さい土地に建てられた住宅を指します。狭小住宅の明確な定義はありませんが、一般的には土地面積15~20坪(49.59㎡~66.12㎡)の土地に建てられた住宅を指すことが多いようです。
日本は山地が多いため、居住可能な土地は国土の30%以下しかなく、狭い土地に家を建てるのは珍しいことではありません。特に、広い土地を確保しにくい東京都内や大都市圏では日常的に目にすることも多いでしょう。

狭小住宅の住み心地は?

狭い住宅は暮らしにくいのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、限られた空間にさまざまな工夫を施し、快適に暮らせるよう設計されているのが狭小住宅の特徴です。最近では、必要最小限のもので豊かに暮らすミニマリストの方にも注目されており、狭小住宅を好んで選択する方も多くいます。

狭小住宅のメリット・デメリット

狭小住宅のメリット・デメリット
狭小住宅には、メリットとデメリットそれぞれの側面があります。

狭小住宅のメリット

1.土地購入費用を抑えられる

狭小住宅を建てる土地は、面積が小さい分同じエリアの広い土地よりもリーズナブルに購入できます。また、土地の広さによって変わる申請費用や登記費用も抑えることができます。

2.税金を抑えられる

狭小地の中でも200㎡以下の土地は「小規模住宅用地」に分類され、固定資産税や都市計画税の軽減対象になります。

【固定資産税の計算方法】
固定資産税とは、土地、家屋、償却資産の所有者に対し課される地方税です。固定資産税の計算方法は以下の通りです。

課税標準額×税率-軽減額=固定資産税

課税標準額とは、税率をかけて固定資産税額を算出する基となる金額です。
通常、課税標準額と土地の地価を元に決められた評価額は同一ですが、住宅用地にかかる課税標準額に関しては、税負担を軽減するための特例措置が設けられており、一定の割合で減額されます。

分類 条件 課税標準額
小規模住宅用地 住宅一戸あたりの面積が200㎡までの住宅用地 評価額×1/6
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 評価額×1/3

 

【都市計画税の計算方法】
都市計画税とは、固定資産の所有者全員に課される固定資産税と異なり、市街化区域内において土地、家屋を所有している人に課される地方税です。都市計画税の計算方法は以下の通りです。

課税標準額×税率=都市計画税

固定資産税と都市計画税は、課税の対象となる資産の違いだけでなく、課税標準額の減額割合が異なります。

分類 条件 課税標準額
小規模住宅用地 住宅一戸あたりの面積が200㎡までの住宅用地 評価額×1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 評価額×2/3

 

減額の割合は違いますが、固定資産税・都市計画税共に、課税標準額にかける税率は一律のため、課税標準額が安い小規模住宅用地のほうが安く抑えられるメリットがあります。

3.アクセスの良い都市部に家を持つことができる

小規模住宅用地は土地が狭い分、購入価格を抑えることができるため、土地価格が高い駅前や都心部の土地も選択肢に入れやすくなります。
利便性が良い立地に家を持つことができれば、車を所有する必要もなくなるかもしれません。

狭小住宅のデメリット

費用や立地の面でメリットがある狭小住宅ですが、デメリットもあります。

1.建築費が高くなる場合も

狭小住宅は家の中を広く使うための工夫を施す必要があり、一般的な広さの家より建築費が高くなることがあります。どの設備を取り入れるか、どのような間取りにすると快適な生活ができるか、予算と相談しながら設計を行いましょう。

2.間取りの制限が生じる

狭小住宅は家族間の距離が近かったり、大きな収納を確保できなかったりと、毎日の生活で暮らしにくさを感じるシーンもあります。プライベート空間を確保できる間取りや、収納方法を工夫すると良いでしょう。

3.3階建ては地震で揺れやすい

狭小住宅を三階建てにした場合、土地の面積に対して建物の高さがあることで、通常の2階建てと比べると地震で揺れやすくなります。そのため、家の強度を高める必要があります。

狭小住宅を活かす間取り・収納の工夫

狭小住宅で快適に過ごすための間取りと収納の工夫についてご紹介します。

間取りの工夫1. 縦のスペースを活用する

photo by YAMADAHOMES

狭小住宅の間取りは、縦方向のスペースを有効活用することが重要です。
隣家との距離が近い狭小住宅では、一階の採光を確保するのが難しいケースもあるため思い切って吹き抜けを導入しても良いでしょう。吹き抜けを設けることで、二階以上の光が一階にも届き、狭小住宅でも十分に明るい空間づくりができます。また、全体的に空間の広がりを感じさせる効果も期待できます。
ただし、吹き抜けにして天井が高くなる分、冷暖房効率が悪くなり光熱費がかかるデメリットもあります。気密性や断熱性を高くする、シーリングファンや床暖房を活用するなどの対策を検討しましょう。

間取りの工夫2.細かく部屋を仕切らない

間取りの工夫2.細かく部屋を仕切らない

designed by YAMADAHOMES

コンパクトな空間で間取りを細かく分けてしまうと、壁や扉のスペースが必要になり閉塞感が出てしまいます。狭小住宅では小さな部屋をいくつも作るのではなく、広い空間づくりを意識しましょう。
例えば、空間を無駄なく使える壁付けキッチンやリビング階段を設置する方法が有効です。リビング、キッチン、階段それぞれを区切るよりも、一つの空間にまとまっているため、居住スペースを広く確保することができます。
また、階と階の間にスペースを設ける、スキップフロアを活用する方法もおすすめです。デッドスペースを居住空間として最大限活用できるスキップフロアは、壁や扉がなくても半階分の独立性を持ち、なおかつ開放感を保つことができます。

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間取りの工夫3.生活動線に合わせた間取り

限られたスペースの中で生活する狭小住宅では、家族の生活動線に合わせた間取りを考えることが重要です。
例えば、お風呂やトイレ、洗面台などの水まわりを一箇所にまとめる、家族が集まるリビングと個室のアクセスを短くする、朝の身支度で混雑する場所を分散させる、といった工夫がおすすめです。
スムーズな生活動線設計であれば、家族同士がぶつかることもなく、窮屈さを減らすことができます。
そして特に重視したいのが、家事動線です。買い物から帰ってきてすぐ冷蔵庫のあるキッチンに向かうことができる、洗濯機から物干し場までスムーズに移動できるなど、家事のしやすさを重視することで、狭くても快適に日々の生活を送ることができるでしょう。

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収納の工夫1.デッドスペースを有効活用する

収納の工夫1.デッドスペースを有効活用する

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狭小住宅にとって重要なのが収納スペースの確保です。階段下などのデッドスペースは、収納スペースとして活用するようにしましょう。

壁面を活用した事例

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住宅に合わせた造作家具をオーダーするのも効果的です。リビングの壁を一面書棚にする、子ども部屋にロフトや収納できるベッドを取り入れるなどで、狭小住宅のデメリットを解消できます。

床下の活用事例

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床下も有効活用できるデッドスペースです。床下収納は、キッチンや洗面所、和室などに設置するのがおすすめ。ストック品やシーズンオフの衣類などの収納には、床下収納が大いに活躍します。

収納の工夫2.持ち物を最小限にする

狭小住宅では、デッドスペースを有効活用しても、設計できる収納スペースに限りがあります。そこで持ち物を極力少なくした生活も視野に入れましょう。狭小住宅に移り住む前に断捨離をして、入居後も無駄なものを持たない工夫をすると、掃除や整理整頓も楽になります。
シーズンオフの衣類を預かってくれるクリーニング店や、レンタル倉庫などを活用するのもひとつの方法です。いらなくなったものは、フリマアプリなどを利用して処分するといいでしょう。

収納の工夫3.屋上や地下スペースを活用する

狭小住宅の住み心地をよくするために、屋上や地下室も活用しましょう。

屋上や地下スペースを活用する

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広い庭を設けることが難しい狭小住宅では、屋上を庭として活用できます。視界を遮るものがなく開放感を味わうことができるので、ガーデニングを楽しむ屋上庭園や子どもの遊び場として大活躍します。

地下室の事例

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地下室は楽器の練習部屋や、アウトドアなどの趣味道具・備蓄食料の収納スペースになります。防音設備を備えた地下室であれば音が漏れにくいため、近隣に気を遣うことなく趣味に没頭できます。

狭小住宅を建てる際に気を付けるべきポイント

狭小住宅で注意すべき点
狭小住宅には注意しなければならないポイントがあります。設計する前にしっかり確認しておきましょう。

耐震性を高める

土地の広さに対して建物が高い狭小住宅は、地震の揺れが伝わりやすいため、耐震性をしっかりと確保しましょう。目安となるのは「耐震等級」です。
耐震等級1は、震度5程度なら大きな修復が必要なく、震度6強から7程度の地震でも、命に関わる倒壊は起きないと言われています。耐震等級2は、震度6弱までならダメージを受けず、耐震等級3になると、震度6強まで耐えることができます。
また、鉄筋や鉄骨を使った家は、木造より耐震強度が高まります。

ヤマダホームズの「耐震」「制震」についてはこちら
https://yamadahomes.jp/products/concept/quakeproof-damping/

防音対策が必要

狭小住宅は隣家との距離が近いことが多いため、防音対策をしっかりとしておきましょう。壁や窓に防音性の高いものを取り入れたり、楽器を演奏する場合は、防音室や地下室を設置したりするのがおすすめです。

道路斜線制限

道路斜線制限とは、道路の通風や採光を確保するために、道路に面した建物の高さや角度を制限することです。土地が狭いと、三階までできる限り居住スペースを確保したいと考えますが、道路斜線制限が適用される場合、二階以上の広さが制限される場合もあります。

北側斜線制限

北側斜線制限とは、北側にある家の日照を確保するために設けられた高さ制限のことです。真北に既に住居がある場合、建物の高さや角度が制限される場合があるので、事前に確認しておきましょう。

おわりに

今回は、狭小住宅で快適に暮らせる間取りや工夫をご紹介しました。
狭小住宅と聞くと不便なイメージを抱く方も多いでしょう。しかし、狭い土地であっても、間取り次第で快適な住宅をつくることが可能です。
お客様一人一人の希望を取り入れることができるのは、注文住宅最大の魅力。住み心地の良い狭小住宅を実現したい方は、設計段階からハウスメーカーに相談しましょう。

ヤマダホームズでも狭小住宅の建築実績が多数ございます。
間取りや収納の工夫もご提案いたしますので、ぜひお近くのヤマダホームズ展示場へご相談ください。
https://yamadahomes.jp/products/office/

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