住まいの安心は足元から?注文住宅は地盤改良で家の傾き防止!
せっかく建てた家が傾いてしまったら、がっかりするどころか暮らしそのものに大きな悪影響を及ぼしてしまいます。家が傾くことで、ドアやクローゼットの開閉がしにくくなるだけでなく、めまいや頭痛、吐き気などの健康被害が生じることも……。
家が傾く現象は、家を建てる土地が「軟弱地盤」である場合に起こりやすいといわれています。
そこで今回は、家が傾いてしまう原因や、注文住宅を建てる際に地盤調査を実施する重要性、家の傾きを防止する地盤改良工法についてご紹介します。
目次
なぜ家が傾いてしまう?
建物自体が頑丈でも、地盤が弱ければ家が傾いてしまう可能性があります。
家が傾いてしまう主な原因としては、以下の二つが挙げられます。
圧密沈下
建物の重さで、地盤(土)が次第に圧縮されることにより、土中の体積が小さくなり、家が沈んで傾くことを圧密沈下と呼びます。もともと畑だった場所など、水分を含みやすく水はけが悪い「粘性土」と呼ばれる土地で起こりやすい現象です。
液状化
液状化とは、大地震が来た際に、揺れの影響で地盤そのものが軟化してしまうことを指します。土が軟化することで、建物を支えきれなくなり家が傾いてしまうのです。なお液状化は、埋め立て地や造成地など、砂状の土で構成された比較的水はけの良い土地で起こりやすいといわれています。
住まいの安心は足元から?地盤調査の重要性
家を建てる土地が「軟弱地盤」である場合、長い時間をかけて起こる圧密沈下や地震による液状化により家が傾いてしまう可能性があります。
そのため家を建てる際は地盤調査を実施して、地盤の状態を把握することが大変重要です。地盤調査の結果、軟弱地盤であることが分かった場合は、地盤改良工事を実施して地盤を補強することになります。
地盤調査は、これから何十年と生活する住まいの安全を確保するために、重要な役割を果たすことを知っておきましょう。
家の傾き防止!地盤改良の代表的な工法と特徴
家の傾きを防止するために実施する「地盤改良工事」ですが、工法にはいくつかの種類があるため、土の質や地盤の深さに応じて適切な工法を選ぶ必要があります。
ここでは代表的な地盤改良工法として以下の三つをご紹介します。
柱状改良工法
柱状改良工法とは、建物の基礎部分の下に直径500~1,000mmの円柱状の柱を打ち、建物を支える工法です。軟弱地盤の深さが地表から2~8mの場合に有効とされています。工期が比較的短く済み、工事による騒音や振動も少なく抑えられるため、市街地や住宅街での施工も難しくありません。
表層改良工法
表層改良工法とは、地面に柱を打たずに、地盤の土そのものにセメント系固化材を混ぜることで地盤自体の強度を高める工法です。土地が狭くても施工しやすく、費用も柱状改良工法より安価で済みますが、有効な軟弱地盤の深さは地表から2m以内と比較的浅い場合に限られてしまいます。
天然砕石工法
天然砕石工法とは、地盤に穴を掘って天然砕石を埋める「天然砕石パイル」で直径400~550mmの石柱を作り、地盤の支持力を高める工法です。上述の工法と比較した場合、価格は割高となりますが、地震の揺れに強い家を建てることができます。
おわりに
今回は、家が傾いてしまう原因や地盤調査の重要性、代表的な地盤改良工法の種類と特徴についてご紹介しました。
お住まいになる土地の性質や特徴について知り、家が傾くリスクに対して適切に対処することは、地震の多い日本で暮らす限りは必須といえます。
家を建てる際は、地盤調査により土地の状態を把握し、必要に応じて適切な地盤改良工事を実施しましょう。