自由設計で家づくり!知っておきたい住宅用語をご紹介
注文住宅の魅力は、なんといっても好きな間取りや設備を自由に組み立てて住まいづくりができること。ハウスメーカーや不動産業者としっかり打ち合わせをしながら自由な設計の家を実現するためには、住宅用語をある程度理解していることも大切かもしれません。
そこで今回は、基本的な住宅用語とその意味を詳しくご紹介します。業者との意思疎通をさらにスムーズにして、理想の住まいにできるだけ近い家を建てられるよう、ご参考にしてください。
目次
LDKとは?
住宅に関心をお持ちの方であれば、「LDK」という用語はきっと聞いたことがあるでしょう。なんとなく「リビングやキッチンが一つになった広い空間のようなもの」と、ある程度理解できている方が多いかもしれません。
正確にいうとLDKとは、「L=リビング・D=ダイニング・K=キッチン」のこと。以前はリビングとダイニングキッチンが別々になった間取りが主流でしたが、現代では多くの住宅で一部屋にまとめられています。
家族が集まってくつろぐリビング(居間)、食事をするダイニング、調理をするキッチンが一体となったLDKは、住宅の中でもっとも広い空間です。
ウォークインクローゼット(WIC)とは?
クローゼットとは、主に衣類などを収納するためのスペースのこと。その頭に「ウォークイン」とつくことからも分かるように、ウォークインクローゼットとは「人が歩いて入れるクローゼット」です。
多くの場合は中央に通路などを設けた広い収納スペースで、衣類をつるせるハンガーポールや、帽子・バッグなど服飾雑貨を整理整頓できる棚を多数付属しています。
シューズインクローゼット(SIC)とは?
いわばウォークインクローゼットの履物版で、靴・サンダル・ブーツなどの履物をたくさん収納でき、かつ人が歩いて立ち入れる収納空間です。家族の人数などにより、靴の数が多くなって、一般的な靴箱では収納しきれない場合には役立つ設備でしょう。
シューズインクローゼットは玄関に隣接している場合が多く、床は玄関と続いていて人が靴を履いたまま入れる土間になったケースが主流。「シューズクローク」や、「土間収納」などと呼ばれる場合もあります。すべての靴を収納して玄関をスッキリ見せられる他、外で使用するアウトドア用品やベビーカーなどを置けるメリットも。
またシューズインクローゼットがあれば、玄関から直接見えない場所に姿見用の鏡を設置できるという利点もあります。
居室とは?
先ほどご説明したLDKや子供部屋、寝室など「居住やくつろぎ、娯楽に使用する部屋」を指します。用途が限定されている浴室・洗面脱衣所やトイレ、玄関、廊下、収納などは居室に含みません。
ただし、日常生活に使用する場所であればなんでも居室と呼ぶわけではなく、居室と認められるかどうかは建築基準法で要件が定められているのです。採光(窓など)や換気(風通し)など、一定の基準を満たした部屋が「居室」と呼ばれ、構造が居室に準じていてもその基準外であれば、物置として扱われる場合もあります。
納戸とは?
主に収納を目的とした部屋を指し、押し入れなどとは異なり人が立ち入れる空間を備えています。ただし、法令上居室と認められる採光や換気の設備がない点が特徴。不動産広告や間取り図では「サービスルーム(S)」、「N(納戸の頭文字)」、「DEN」などと表記されることもあります。
動線とは?
建物の中で人が通る道すじを、線で表したものを指します。特に住宅建築の場合は、「家の中を、人がいかに自然に移動できるか」に配慮した間取り設計が重要。動線設計では「人がすれ違う機会が少ないこと」、「移動距離が短く済むこと」、「障害物が少なく、真っすぐ歩いて移動できること」などが重視されます。
室内の間取りを設計する際は、各部屋の広さや日当たりの良さ、水回りからの距離などを優先することが多くなりがちです。しかし、動線を完全に無視してしまうと、実際に住んだとき移動がしづらく、住み心地の悪い家になってしまうこともあり得ます。家の間取りを考えるときには、動線についても意識することが大切です。
建蔽率(建ぺい率)とは?
建蔽率とは、敷地の面積に対して、建物を建築できる面積の割合を指します。例えば、「建蔽率の限度が60%」とされている土地の場合、敷地面積が100坪あるとしてそのうちの60%=60坪を、建物の建築に利用できます。建蔽率の最高限度は、基本的には「防火地域」や「用途地域」などによって決まるため、家を建てるときには守る必要があります。
なお、土地の用途に応じて建蔽率を定める目的は、土地に一定の空間を設けて防火や日当たり、風通しなどを確保することや、災害時の避難を容易にすることです。
容積率とは?
容積率とは、敷地の面積に対する、建物の延べ床面積の割合を指します。容積率も、建蔽率と同様に用途地域によって上限が決められており、上限を超える延べ床面積の建物を建てることはできません。
また、容積率は前面道路の幅員によって容積率が制限される場合もあります。もし、用途地域で規定された容積率よりも前面道路の幅員による容積率の上限が小さければ、道路の幅員による容積率の上限が優先されます。
二階建て以上の家を建てたいと考えている方は、容積率の上限にも気を配って建物を設計し、違法建築にならないよう気をつけることが大切です。
北側斜線とは?
北側斜線とは、「北側斜線制限」、「北側高さ制限」とも呼ばれ、建物の南側の高さに一定の制限を設けることで、北側にある敷地の日当たりや風通しを確保することです。
北側斜線は、住宅の敷地と隣の土地との境界線上で、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域の場合で地面より5mの高さを基準に、真北に向かって勾配1.25:1の斜線と定められています。建物を建てる際は、この斜線を超えないように建てる必要があります。
なお北側斜線の制限がされることで、敷地の南側を建物部分として広く取れなくなることを知っておきましょう。
道路斜線とは?
道路斜線とは、建物が接する道路の幅員に応じ、建物が道路に面した部分の高さを制限する斜線を指します。建物を建てるときは、その土地に設けられた道路斜線制限をクリアした設計・建築が必要です。
具体的な道路斜線制限では、用途地域により傾斜勾配が定められます。敷地が面した道路の「反対側の境界線」から、住居系用途地域の場合は1mあたり1.5m、他の用途地域では1.25mの斜線内に建物を建てる必要があります。
要件を満たすことが難しい場合、道路からセットバック(敷地の後退)させて家を建てなければならないこともあります。また、広い家を建てたいと思って土地を購入しても、北側斜線や道路斜線の制限により、狭い家になってしまうこともあり得るのです。
理想の家を実現するためには、土地を選ぶ段階から道路斜線などの制限事項をしっかり意識する必要があります。なお、角地や公園に隣接した土地などでは、北側斜線・道路斜線の制限緩和措置を受けられる可能性があることも知っておきましょう。
おわりに
今回は、注文住宅を建てる際に知っておきたい住宅用語についてご紹介しました。
建築用語に関してある程度の知識を身につけておくことで、業者との相談や打ち合わせがしやすくなります。用語の意味を理解して、妥協のない理想の家づくりに役立ててください。